今回の市長選

選挙前日だというのにセントロでは宣伝が驚くほど少なかった。

選挙前日だというのにセントロでは宣伝が驚くほど少なかった。

今回の市長選は今までの選挙に比べいろんな面で大きく変わった。

最も驚いたのは、去年の11月以来各地で26人の者候補者が暗殺されたことである。特にリオ・デ・ジャネイロは断トツに多く16人が殺害されている。今までも、候補者が暗殺されることはあったが、今回のように26人もの候補者が殺害されることはなかった。ほとんどは、勢力拡大を狙う麻薬組織や、ライバル候補者の仕業と言われている。

よくアフリカやアジアの後進国などで選挙を公平に行うために国連などからから軍がしばしば派遣されている。今のブラジルはちょうどそれらの国と同じである。

宣伝カーもほとんど見られなかった

宣伝カーもほとんど見られなかった

選挙宣伝も大きく変わった。企業からの献金が禁止され、旗振りやチラシ配りが激減した。見苦しいほどに建てられ、街を汚していた立て看板は禁止された。TVの選挙演説放送も時間が短縮された。

ブラジルには現在大小の政党が30以上も混在し、政党を減らすために今回の様な措置が取られたという説もある。資金力のある大政党は金をかけて宣伝できるだけに、大政党が有利になり、資金の少ない小さな政党は不利になるだろう。そうした方が、大政党にとって議会をまとめ易く有利に運べるようになる。庶民は新聞も読まない人が多いだけに、宣伝が少なくなるとことは小政党にとって大きな打撃になる。一部の政党政治家によって国家運営が握られるのは怖い。

企業の献金が禁止されたおかげで、宣伝はすっかり少なくなり、今年の選挙の選挙合戦はすっかり寂しくなった。スラム街から雇ってきたような旗振り女性もビラ配りも、前日に少し見かけたぐらいである。立て看板は完全禁止になったために一切みかけない。選挙ビラやポスターで稼いでいた印刷会社や、旗振りで臨時収入を得ていた人々はお金が入らず潰れる会社もでてくるだろう。町が汚されないのは一見よさそうに感じるが、いつもは選挙で回っていたお金が回らなくなってしまった。

ブラジルには選挙前に面白い規則がある。選挙前は、店ではアルコールの販売が禁止されるし、犯罪は現行犯で逮捕されない限りは無罪となる。この時を狙って犯罪を行う人間も結構いるらしい。

今回の投票は、暗殺が頻発したことから、全国の大都市に国家防衛軍の軍隊が配備され投票を警備することになっている。そんなニュースを聞くと、危ない後進国に住んでいることを実感する。

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