ブラジル事件簿2019年12月~

 

■事件簿10 バイレファンク殺傷事件(2019-12-2)

 サンパウロ一大きいと言われるパライゾ・ポリスの貧民街でバイレ・ファンク(路上ディスコのようなもの)の警察の取り締まりがあり、9人の若者が死亡したらしい。警察の過剰取締の疑いがもたれ、捜査が行われている。

 過剰な暴力をふるった警察が悪いのは当然、と多くの人は考えるだろう。確かに、人が死ぬほどの過剰な暴力を加えるのはひどいと思う。

 しかし、バイレ・ファンクの大音響は半端ではない。周辺住人は一晩中眠れないだろう。こうした場所では、麻薬の売人もおり、麻薬が蔓延している。さらに、バイレ・ファンクが終った跡はひどいもので、そこら中、空き缶やコンドームなどゴミだらけとなる。

 僕は市議会場の前のアパートに住んでいるので、民衆の騒音がどれほどひどいか,よくわかる。というのは、多い時期には毎日のようにデモがおこなわれ、大音響で音楽がならされ、拡声器でガンガン演説が1日中行われる。民衆はシュレヒコールを何度もあげ、どんどんヒートしていく。そのうえサッカーの応援などに使う鳴りモノを1日中ならす。その煩いこと煩いこと。おそらくその騒音の煩さは味わったものでないとわからないだろう。

耐え切れなくなったアパートの住人が民衆に生卵をなげつけ、怒った民衆が建物になだれ込んできたことがある。警察がいたので事なきをえた。しかし、生卵を投げたくなる気持ちもわかる。

 バイレ・ファンクの騒音はそれ以上である。僕なぞは考えただけでもぞっとする。

アルコールや麻薬の入った若者たちの反抗は半端なモノではないだろう。警察側も半端な気持ちで押さえこむことはできない。しかし、だからと言って殺すほどの暴力はひどいと思うが・・・。

 何度か写真を撮りに機動隊とデモ隊と衝突場に行ったことがあるが、機動隊の暴力は半端なものでない。ガス弾、ゴム弾を平気でポンポンうつし、警棒で殴る。さらに防御ブーツで蹴りまくる。その場は男も女も関係ない。ゴム弾を目に受けたカメラマンやジャーナリストが失明し、問題となった。血の気の多い若者がいるバイレ・ファンクでは衝突すれば、死人はでるだろう。

 パライーゾポリスの取り締まり前に警官が殺され、警察は過敏になっていたという記事があった。それも、今回の事件に影響している可能性もある。

 以前、バイレ・ファンクのレポート番組があり、ある人は若者たちのエネルギー発散の場も必要だ、という人もいた。それも解る。その後、サッカー場でバイレ・ファンクをやるという記事を読んだような覚えがある。しかし、遠くてほとんどの人が行かなかった、という記事をよんだような気がする。その後どうなったのだろう?

 お金儲けにつなげようとする大人(麻薬組織等々)が複雑に絡み合うだけに難しい問題だ。

 

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