頻発する携帯強奪事件

 セ広場からジレイタ通りに入ったところで、前を歩いていたモレーノが前からきた男に声をかけられた。「安いノートブックがあるよ」ぼそっとその男は、モレーノの耳元で囁いた。

 ジレイタ通りは昔からスリやかっぱらいが多い所で一時期はサンパウロで一番泥棒が多い通りと言われていた通りである。今は、泥棒がほとんどいなくなったものの、盗品の携帯や海賊版DVD、日用品が小さなダンボール箱の上に並べられて売られている。勿論こうした盗品の売買は禁止されているから、警察の巡回があると、売り子達は蜘蛛の子を散らすように逃げ去る。

 結構、こうした盗品を買い求める人はいるようで、今日も30歳くらいの女性が携帯を手に取ってみていた。テレビのニュースなどでもこの通りで盗品が売られていることはしょっちゅう取り上げられているから、盗品であることは知っているはずである。しかし、最新のスマホが安く買えるとなると、盗品としりつつも誘惑に負けて買う人も多いのだろう。

 去年は、サムシングの工場が襲われ、数十億円の携帯やタブレットが盗まれたし、つい最近も空港近くの倉庫が襲われ、約3億円の電子機器が強奪された。ちなみに、サムシングの強奪犯のボスは先日逮捕された。

 これらの盗まれた携帯やタブレットなどの盗品は、いったんパラグアイに運ばれ、再びブラジルに運ばれ正規の物として販売される。こうしたルートが確立されているため、電子機器を狙って、工場、倉庫の襲撃や輸送トラック襲撃がこの頃非常に多い。

 大がかりな携帯の強奪や、個人所有の携帯が盗まれる事件があまりに多いため、最近警察と電話会社が組んで、登録すれば盗まれた携帯は2度と使えなくなるシステムを考案したらしい。一時期、その登録の仕方がニュースなどでもしょっちゅう流されていたが、最近見かけなくなった。どうなったのだろう? ブラジルの泥棒は犯罪にかけては天才的才能を発揮する。もしかしたら、もう抜け道を作っているのかもしれない

 

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夕のジレイタ通り

 

 

 

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