ブラジルの銀行 ―支払いは銀行からロッテリアへ

 

窓口の防犯は厳重だが、客の居る場所はまったくと言ってされてない

ロッテリア。窓口の防犯は厳重だが、客の居る場所の防犯はまったくされてない

 銀行はブラジル国内の企業の中でも特に変わり方が激しい。世界中から銀行が進出し競争が激しいこともその一因であるが、犯罪が多いこともその一因であるといえる。 国外から進出銀行としてはスペインのサンタンデール、アメリカのシティバンク、一般人には利用しづらいが日本の東京三菱銀行なども進出している。その反面、撤退していく銀行や合併吸収される銀行も多い。日系人が作った南米銀行などはその典型で10数年前に吸収され消えてしまった。
 お金が集まるところだけに、より安全より便利に利用しやすくするためには巨額な資金が必要なのだろう
ネットバンキングや銀行内でのサービス、防犯警備などどんどん進化している。その反面、銀行の利子やクレジットカードなどの利子は10%を超え、恐ろしく高い。銀行は人件費を抑えるために窓口をぎりぎりまで減らし、ATMなどを使って、支払い・引き出しを積極的にな自動化をはかっている。そのおかげで僕の様なアナログ人間には随分使いづらくなった。この分野は世界トップレベルと言っても過言ではないと思う。クレジットカードの防犯システムなどは日本を抜いているかもしれない? それだけ、あの手この手での詐欺犯罪や知能犯罪が多いからだ。

ロッテリア(数字選択式宝くじ店)でも、電気代やガス代を払えるようになったことは数年前から知っていた。支払い可能になった当初、知人からロッテリアで支払いをしたが、払い込まれていなかった、という話をきいて支払いはすべての銀行窓口で済ますようにしていた。ところが2年ほど前から電気代、水道代などの公共料金の支払いが銀行ではできなくなり、ロッテリアでしか支払いができなくなりロッテリアでの支払いを余儀なくされた。

 ロッテリアは警備がされている店などほとんどない。TVニュースではロッテリアが襲われる事件が毎日のように告げられていた。たいていのロッテリア店は扉もなく誰でも入れる様式で、窓口から直接ロト購入や支払いをするようになっている。ちょうど日本の宝くじ販売のボックスをお店にした形である。警備もいない、出入り口の扉もない、ロッテリアは強盗の狙われる恰好の的となった。頻発する強盗事件に、支払い窓口はどんどん強固になり、支払い窓口は防弾ガラスで防備され、支払い窓口内には簡単に侵入できないように改良されていった。ところが客の居る場所はそのままで、警備員を付けるわけでもなく、強盗犯が来て拳銃で脅さればいう通りお金や所持品は差し出すしかなかった。まさに自分の店さえよければ客はどうでも良い、という典型的なブラジル的な発想の店の一つである。そんなこともあり、ロッテリアを利用するのは嫌だったのだ。ところが公共料金の支払いはロッテリアでしかできなくなった。いざ使ってみると、確かに安全性の面においては最悪であるが、銀行より待ち時間が少なく便利であった。さらに一度も聞いたような払い込み漏れがなかったので、ついつい使う機会が増えていった。

 久しぶりに、近所の銀行に行って驚いた。以前は支払い窓口の前にはついたてはなかったが、ついたてができ、その後ろには椅子が設置されていた。ついたてのおかげで支払いやお金をおろしている様子は、他の客には一切見えなくなった、銀行でおろした金を狙っての強盗事件が激増し、死人さえもでたため、政府が銀行側についたての設置を要請したためであるらしい。銀行によっては随分前から導入されていたところもあったらしいが、僕の家の銀行は今年のはじめあたりからである。

日本と同様に受付番号をとって椅子に座って待つことができるのだ。なんと楽になったことか。以前は、列にならんで立ってひたすら待つしかなかった。30分待ちは当たり前、1時間待ちはざらであった。午後になると周辺の会社や企業がオフィースボーイ(会社つきのアルバイト少年)を使って支払いなどをするため、長い長い列ができたものだ。

今は椅子に座れて楽になったとは言え、相変わらず平均30分程度待たなければならない。銀行側が人件費を抑えるために、窓口を減しているためだ。という訳で、危険な可能性はあるが、最高に待っても30分ほどのロッテリアをつい使ってしまう。

 

 

 

 

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