ブラジルの危険度は

サンパウロのシンボル、パウリスタ大通り

サンパウロのシンボル、パウリスタ大通り

 

TVニュースを見ていると、ブラジルの殺人発生件数は戦争国並み、とアナウンサーが告げた。それは、ちょっと大げさ過ぎるのでは、と思い日系人の友人にきくと、確かにその通りだという。

最近のリオ・デ・ジャネイロでは麻薬組織や強盗と警察の銃撃戦がしばしば起こり、そのたびに、周辺の学校は休校となり、商店もシャッターを下ろしたままで営業がされない状態となっている。オリンピックが終わって軍の巡回がなくなり、コパカバーナなどの街中でも銃撃戦しばしばおきるようになった。「オリンピックが終わって、犯罪者たちのパーティ状態さ。」と言う住民のやるせない言葉が印象的だった。

銃撃戦で怖いのは、流れ弾である。最近の銃は、戦争用のマシンガンや銃が使われることが多いから、薄いベニヤ板や建材は簡単に突き抜けてしまう。多くの住人が被弾し、今年、リオ・デ・ジャネイロ州だけで168人が流れ弾に被弾し、43人が死亡している。サンパウロでもほぼ毎日のように銀行襲撃事件や強盗事件が起き、明らかに治安は悪化の一途をたどっている。

 外務省の海外安全ホームページを見ると、ブラジルは2016年11月の段階で「危険度ではレベル1・十分気を付けてください」レベルである。国で言うと、メキシコ、ロシア、アフリカ諸国や東南アジアの一部の国並みである。これを見る限りでは危ないには危ないが、なんとか大丈夫な感じを受ける。僕自身、南米以外の国に行ったことが無いので他国との比較は言えないが、最近のニュースを見ていると、ブラジルはもう少し危ない感じがする。先に書いたように、殺人事件数は戦争国並みという人もいるのだから。

ビジネス街だけあってスーツ姿が多い

ビジネス街だけあってスーツ姿が多い

サンパウロのセントロの歩行者を見ると、ナップサックは後ろにしょわず、前に抱えるように歩く人が増えたし、ショルダーバックもたすき掛けにして歩く人が増えた。夜も出歩く人も随分減った。バスやメトロ内での銃で脅しての強盗事件が急増し、バス停留所などでの強盗事件も頻発している。人が集まるイベントなどでは警察に逮捕されている者をいつも見かける。以前はなかったことだ。治安は悪化し、確実に危険は身直に迫っている。犯罪は他人事ではなくなった。

しかし、これらの危険は住人に言えることで旅行者にはそれほど危険だとは言えないかもしれない。というのは、サンパウロの普通の旅行者は、車で移動し、警備員のいる中流以上のホテルに滞在する人が多いからだ。多くの旅行者はさほど危険を感じないかもしれない。例えばサンパウロのシンボル、パウリスタ大通りを歩いて身の危険を感じる人など皆無に近いだろう。近代的な高層ビルが立ち並び、行き交う人もスーツを着たビジネスマンが多い。東京を歩いているような安心感を抱くかもしれない。セントロを歩いても警官が多いのでパウリスタ大通りほどではないにしても危険はそれほど感じないだろう。

しかし、パウリスタ大通りで盗まれる携帯数は州内でもトップクラスだ。州内では1時間に3台の携帯が盗まれるしいから、パウリスタ通りではそれ以上であろう。

南米を周遊する旅行者が、「ブラジルはペルーやボリビアに比べると楽勝ですね」と言う人がいるが、実際は決して安全な場所ではない。安全そうに見えるだけである。ここ1,2年で危険度は驚くほど上昇した。その原因のひとつは、麻薬と銃の蔓延である。人で賑わうレストランやバーに、銃で武装した強盗が入ってきてレジだけでなく客からも金や携帯を奪う事件が頻発している。以前は客がたくさんいる店には、強盗が入ることはなかったが、今は客を狙って強盗がやってくる。夜は警備員がいない店では、安心して食事をすることもできなくなった。

もちろん、警備員もいるちゃんとした店で、タクシーなどで往復するなら、十分サンパウロの夜を楽しめるだろう。それでも絶対とは言えないが、FBなどを見ているとブラジルまで来るような人は「旅行は少しくらいの冒険はつきもの」ぐらいで旅行している人が結構多いようなので問題はないだろう。ただ数年前のブラジルと比べれば今は確実に危険度があがっている。そのことは頭の隅においておいた方が良い

危険度1というのは、住んでいる人間からすれば、ちょっと甘いような気がしないでもないが、ある程度余裕を持って旅行する人にはその通りなのかもしれない。

 

 

 

 

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