郷に入っては郷に従え

 

メルカード1

魚の入った箱が撤去されすっかり綺麗になった通路

 

 

メルカードⅡ

箱が撤去される以前の状態。

 メルカードに行って驚いた。魚屋のボックス前に置いて魚を売っていた発泡スチロール箱がすっかり消えてしまっていたからだ。魚屋ゾーンの通りが広々すっきりして見える。普段、多い中国人らしき東洋人はほとんどいないから余計である。どうしたのだろう?

いつも買っている魚屋のボックスに行ってみると、衛生局がきて、発泡スチロール箱をすべて撤去し、今後、発砲スチロール箱を店の前に出して魚を売ることを禁止したと言う。素手で魚に触ることも禁止したらしい。

 中国人客が増えるにつれ、店先に発泡スチロール箱に魚を入れて売る店が増えて行った。中国人は手で触って、自分で選んで買うからだ。発泡スチロール箱を店先に出す以前は、中国人は店の中まで入ってきて魚を選んで、店主にとっては迷惑だったらしい。魚屋のオーナーも勝手に店の中に入り込んできて手で触っていく中国人に怒っていた。中国人客が増え、苦肉の策で発泡スチロール箱を店先に出して売るようになったのだ。ひとつの店がこの方式で売るようになると、他の店も追随し、結局メルカードの魚屋の90%が発砲スチロール箱を出して売るようになった。

「黒い爪で触られなくなって良かったよ。バクテリア一杯の汚い手で触られると不衛生だし、魚が傷むからね。今後は魚を触るときは、ゴム手袋をしてじゃないとダメなんだ。よかったよ」そう言って、魚屋の売り子の青年がにっこりわらった。

 衛生局の人間がメルカードにきた伏線となる事件があった。メルカード近くで、中国人の農家や畜産家が集まって、無許可でフェイラ(青空市)を開いていたのだ。そのフェイラでは、台も置かずに、直接地面に肉や野菜、魚を置いて売っていたことがTVの報道で衛生局に情報が入り禁止されてしまったのだ。しかし、そのフェイラの売る人間も、客も中国人で、一般ブラジル人にはさほど影響はなかった。もしかしたら、ブラジル人からの密告がありこのフェイラがTV放送されたのかもしれない。

 ブラジルでは、中国レストランは不衛生なことで有名で、年に数軒、衛生局から営業停止されるレストランがある。数年前は、便所の中に料理に使う生きたカニがいて大々的

魚を触るときは手袋をはめて

魚を触るときは手袋をはめて

に中国レストランの不衛生さが報道された。多くのブラジル人は非常に綺麗好きで不衛生を嫌う傾向にある。それだけにびっくりしたようだ。

 ブラジルに渡ってくる中国人は顔から判断すると、南部の田舎の人が多いようで、洗練された感じは受けない。祖国中国の彼らの住む地方では不衛生が一般的なのであろう。自分たちの間で売り買いするのなら、例え不衛生でも、それは自分たちの問題であるし、不衛生の中で暮らしてきた彼らには、それが習慣であって身体や健康に害を及ぼさないのではないのだろうか。しかし、ここはブラジル、衛生局としては放っておく訳にはいかないのであろう。郷に入っては郷に従えである。

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